在宅医療のすすめ
                        
海宝病院外科 高田 理

 少子高齢化社会に突入し、平均寿命は男女とも世界一(女性85歳・男性78歳)となり、人口構造も歪化してきています。この様な状況では、超高齢者を高齢者が世話をし、若中年者が医療費を負担するという構造になります。このままの状況では、国民医療費は増加する一途です。近い将来に、国民医療費が破綻するのも時間の問題と言われています。そこで、療養型ベッド・介護型ベットの削減といった医療改革が行われます。これにより、好むと好まざるとに関わらず、医療・看護・介護が自宅で行われる事が容易に想像されます。近い将来、私たちは、在宅医療を理解し、上手に活用する事が必要になります。そこで、私たち海宝病院も、積極的に在宅医療に携わっていきたいと考えています。
ここで、在宅医療について簡単(Q & A)に説明したいと思います。

Q1)在宅医療とは?
A1) 患者さんの自宅で医療を行う事です。

Q2)在宅医療では、何を提供できるのですか?
A2) @医師が自宅で診察・治療を行なう往診と訪問診療A看護婦が自宅で看護を行う訪問看護B作業・理学療法士が行う訪問リハビリテーションC歯科医師が行う訪問歯科診療があります。

Q3)医師の行なう診察・治療とは?
A3) @医師が自宅で診察・治療を行なう往診と訪問診療A看護婦が自宅で看護を行う訪問看護B作業・理学療法士が行う訪問リハビリテーションC歯科医師が行う訪問歯科診療があります。患者の急変時に、患者からの要請を受けて行なう診察を往診といいます。一方、何らかの疾患(脳梗塞・癌・呼吸器疾患・心疾患など)があり、定期的な医療を受ける必要があるにも関わらず、外来通院が困難なために、自宅で定期的に診察・治療をうける訪問診療があります。つまり、一回だけの緊急の依頼による訪問が往診、患者の状態の維持・向上のため定期的に訪問するのが訪問診療となります。

Q4)私たちが目指す訪問診察とは?
A4)病院のベッドが、そのまま自宅のベッドとなることが私たちの理想です。
患者さんが自宅で療養する際に必要な状態管理(血圧・脈拍・体温・尿量などのチェック)や点滴(注射)管理、内服薬の管理を行います。しかし、全く病院と同じと訳にはいきませんので、時に、家族のご協力をお願いすることがあります。また、本拠地である海宝病院と常に密接な連絡を行い、必要に応じて検査を行なったり、状態の変化に応じて入院治療を行なうことがあります。

☆在宅医療を受けるには?
尿道カテーテルや経管栄養チューブ、気管切開チューブ、中心静脈栄養チューブを付けたまま退院や在宅医療を行なうことが見込まれる患者さんで、在宅医療を希望される患者さんは、先ず、今までのかかり付けの先生にご相談の上、紹介状を作成してもらいます。(但し、海宝病院がかかりつけの患者さんは必要ありません。)その上で、海宝病院で基本的な診察や検査を入院または外来で行ないます。その結果に基づいて、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・ケアマネージャーの協議の上、患者にとって最も望ましい在宅医療(訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーションなど)を検討した後に、ご自宅へ訪問するという形になります。
しかし、在宅医療はまだ歴史が浅く、医療側も思考錯誤を繰り返しながら、各々の患者に応じたベストな医療を提供していく形となります。また、在宅医療の場合、医療側の提供できる診療や看護だけでは解決できない事もあります。ご家族の協力がなければ、解決できない問題もあります。そのため、ご家族にも医療に参加していただくことになり、負担を強いることもあります。しかし、ご家族の肉体的・精神的負担が減るように、様々な福祉サービス(ヘルパーによる介護・ショートステイに利用、デイサービスの利用など)も準備していきます。その際には、当院専属のケアマネージャーが手続きや計画作製を行います(介護保険使用)。このような福祉サービスを上手にお使いいただくことにより、ご家族の介護負担の軽減が図れる事になりますので、積極的に利用して下さい。
最後に、在宅医療は個々の患者さんの状態や家庭・社会環境により対応が異なります。当院で在宅医療を受けたいとお考えの方(患者およびその家族)は、気軽に相談してみて下さい。