新しい内視鏡治療 - ITナイフ、フックナイフを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術 : ESD

 胃癌や大腸癌は早期のものであれば多くの場合、開腹治手術をせずに内視鏡治療(粘膜切除術)が可能です。しかしこれまでその適応は隆起型早期胃癌は大きさ20mm以内、陥凹型早期胃癌は10mm以内、等の制限がありました。なぜなら従来の内視鏡的粘膜切除術ではこれらの制限よりも大きな病変を切除すると一括切除が出来ず分割切除となり、取った病変部の病理検査がきちんと出来なくなったり、再発が増えるなどの欠点があったからです。

 ITナイフやフックナイフを用いた粘膜切除術では病変の大きさにかかわらず多くの場合早期胃癌であれば一括切除が可能です。また従来の粘膜切除では位置的に粘膜切除が困難な病変に対しても一括切除が可能となります。これにより従来の診断基準では開腹手術が必要である病変に対しても低侵襲な内視鏡治療が行えるようになってきました。

胃体上部小弯のUc(表面陥凹型早期胃癌)です。黄色の点線内が病変部です。直径は20mm程あり位置的にも大きさ的にも従来の粘膜切除術では困難な病変です。
病変部をマーキングします(白い点々)。
治療終了後です。斜線部が切除範囲です。筋層が露出した部分は潰瘍になりますが数週間で治癒し、痛みはありません。
切除標本です。このように一括切除が可能です。組織検査の結果、癌は粘膜内だけにどどまっておりこの病変に対し充分な治療であることが分かりました。