生活習慣病って何?
海宝病院 外科  高田 理

第1回 「生活習慣病」

 皆さん、『生活習慣病』という言葉を耳にしたことがありますか?日本人は1年間に約90万人がお亡くなると言われていますが、その3分の2が、『生活習慣病』が原因と言われています。よく患者さんと話をしていると、『先生、何でこんな病気になったんでしょうか?』と質問されることか、しばしばあります。しかし、大半の患者さんの疾患の原因は、この『生活習慣』に起因していることが多いのです。病気は、病原体、有害物質、遺伝的要素によって病気が発症したり、進行したりするというのが一般的なイメージではないでしょうか?確かにこれらの要素は発病に影響しますが、個人の食事習慣、運動習慣、タバコやお酒などの嗜好習慣などが病気と密接に関係しているのです。もし、高齢者の典型的な日本食(味噌汁・漬物・醤油)習慣が改善されれば、高血圧や脳卒中は激減するだろうし、若年・中年者の西洋化された生活が改善されれば、糖尿病や高脂血症も減少するでしょう。更に、日本人の3大死因である癌、脳卒中、心臓病など病気も、これらの『生活習慣』が大きく関っています。『癌も、生活習慣病なの?』との声も聞こえてきそうですね。今後、5回にわたり、生活習慣が原因となる疾患について、分かりやすく解説していきたいと思います。海宝病院がかかりつけの患者さんは、来院時に各々の主治医の先生に質問してみて下さい。

1回目は、『生活習慣病』そのものを取り上げたいと思います。先ず、年配の方々には『成人病』と言う言葉の方が馴染み深いではないでしょうか?『成人病』とは、疾病の二次予防(病気の早期発見・早期治療)に重点を置いていたのに対して、生活習慣の改善を中心にした一次予防(健康増進・発病予防)に重点を置いた新しい概念です。現在、糖尿病患者は700万人(更に予備軍が700万人)、高血圧患者と高脂血症患者はそれぞれ3000万人と推定されています。それが、年をとるにつれ、脳卒中や心臓病などの重大な疾患につながる恐れがあるのです。日本では、このような状況をふまえて、健康づくり運動として『健康日本21』が取り組まれています。これは、10年間かけ生活習慣に関る要素を改善しようとする国民的な健康運動です。
 生活習慣に関わる要素には、@栄養、A運動、B休養、Cたばこ、DアルコールE虫歯や歯周病、F糖尿病、G循環器病(心臓病、脳血管障害、高脂血症、高血圧など)、Hがん "という9つの疾患に焦点が当てられています。海宝病院では、健康を維持し疾病を予防するために、『栄養・運動・休養・喫煙・飲酒』について正しい知識と生活習慣の改善に、多くの方々に興味を持っていただきたいと考えています。次回は『糖尿病』です。

・第2回 『糖尿病』
・第3回 『高脂血症』
・第4回 『高血圧症』

・第5回 『がん』